“ジャパンデニム”の代表格と現代のセンスが融合したカプセルコレクション FULLCOUNT×GDC collaboration

“ジャパンデニム”の代表格と現代のセンスが融合したカプセルコレクション FULLCOUNT×GDC collaboration

スタイリスト、フォトグラファーとして多方面で活躍する熊谷隆志率いるブランド〈GDC〉が、30年以上にわたって完全国産ハイクオリティデニムを作り続ける〈フルカウント〉と手を組んだカプセルコレクションを発表。coldrainのフロントマン・MASATOがモデルを務めたルックと、熊谷隆志×辻田幹晴(〈フルカウント〉代表)へのインタビューを熟読して、デニムの沼にハマるべし!


 

 

 

それぞれに無い部分を補い合うことで相乗効果が生まれるかなと思います(辻田)

 

――今回コラボレーションするにあたって、お互いの印象を教えてください。

 

辻田幹晴(以下、辻田) もちろん以前から存じ上げていましたし、初めてご挨拶をさせていただいた時も「うわ、東京の売れっ子スタイリストだ!」って(笑)。

 

熊谷隆志(以下、熊谷) 辻田さんは大先輩ですし、ヘリテージ業界のレジェンド。自分はこれまでヘリテージ業界とは別のところでキャリアを重ねてきたので、色々教えていただくことが多いです。(コラボレーションに向けた)この半年ぐらいの間に色々なことを知識をいただきました。

 

辻田 互いの舞台も違うので、それぞれに無い部分を補い合うことで相乗効果が生まれるかなと思います。

 

熊谷 僕はストリートやハイファッションの方が得意なので、そういうところで何か僕の力を使って辻田さんにご協力できることがあればいいなっていう。「〈GDC〉っぽくやってくれたら良い」とおっしゃっていただいたので、今のトレンド的なところを入れつつも、〈フルカウント〉さんが誇るデニムのプロの皆さんのご意見をうかがいながら進めていきました。

 

辻田 〈フルカウント〉を続けることでファンの方が増えてくると、自分の好きなテイストを入れるのが難しくなると思ったことがあるんです。自分の作りたい服を作っても、それをファンが求めているとは限らない。だからこそ、自分はこのジャンルの中できちんと仕事をすると決めているんです。ただ、旬のシルエットやデザインの服を着たり作ったりするのも、本来やりたいことでもある。普段から〈GDC〉のアイテムを着ていますし。

 

熊谷 辻田さんに絶対似合うと思ったアーミッシュのジャケットのセットアップがあるんですが、色々なところで着てくれていて。

 

辻田 着ていてすごく落ち着くし、好きなスタイルなんです。ただ、そういうものを着ていると、「ちょっと最近色気出してるね」と言われることもあって。「何ハイファッション気取ってんだよ」とか、「ストリートみたいなことやるんじゃないよ」みたいなことを、本当に言われるんですよ。だから〈フルカウント〉では王道のものだけやろうと決めているんです。その点、コラボレーションは別というか。普段とは異なる、自分が格好いいと思える服を作れる気がします。

 

 

 


 

 

 

 

――今回のコラボレーションのテーマは何ですか?

 

熊谷 テーマはアーバン。デニムアイテムに都会的なニュアンスを入れるというか、ちょっとだけ土臭さを抜いてやれたらいいなというのが裏テーマです。

 

辻田 Gジャンも〈フルカウント〉の形とは全然違いますし、イチからやっています。ベースはあるんですが、シルエットもちょっと違う。

 

熊谷 例えばジャケット1つを見ても、ファーストタイプやセカンドタイプではなく、ストア系ブランドのようだったり。ポケットの仕様とかストア系ブランドの方が好きだったりするんですよ。割と簡素な感じというか。

 

辻田 生地の特徴も、アーバンというテーマなのでヴィンテージすぎず、あまりゴワゴワしていないんです。見た目はヴィンテージっぽいけど、着込んでいくうちにこなれた表情になるような、13.5オンス前後の薄手のデニムを使っています。

 

――今回だけでなく、コラボレーションを継続していく予定とのことですが、その理由を教えてください。

 

辻田 “物”というものは、長く作り続けないと良いものができないと思っているんです。シーズンごとに新しいパターンを引いて縫製したものは、一発で理想のものができるとは思っていなくて。そうなると「ファーストシーズンのものは良くないのか」と誤解されてしまいそうですが、やっぱりデータを蓄積していくことで良いものが生まれてくる。何十年もデニムを作ってきたのは、そういう意味合いもあるんです。だから今回のお話をいただいた時に、継続的に取り組んでいただけるならと思ったんです。すぐにハイスコアを出すのではなく、どんどん良くしていく。例えば、縫製をしているおばちゃんが「これ、どうなってるの?」と仕様書を見ながら縫っているうちは、良い商品だとは思わない。よそ見しながらガーって縫えちゃうくらいが一番いい状態。そうなるためには、やっぱり何回も作らないと。〈フルカウント〉のアイテムはデザインを変えないから、縫製のおばちゃんも「あんたのところのジーパン一番ラク」って言っています(笑)。長くやっているブランドの良さというのは、そういうことかな。

 

――今回のコラボレーションはヴィンテージを下地に作っていったんですか?

 

辻田 これに関しては特にそれはありません。熊谷さんは色々な情報を持っていらっしゃるし、今の空気で作りました。詳しく説明されたわけでもないのですが、狙いとかわかりやすかったんですよ。だから、「あ、こういうアイテムをやりたいかな」とすぐに思えましたね。

 

熊谷 最近ブーツカットを穿き始めたので、実は追加でお話ししようかなと思ってるんです。家がウェスタンブーツだらけになっていて、どうせ次もやれるならブーツカットも一個作っていただきたいなと。

 

辻田 こんな風に、どんどんいろんなネタが出てくる。

 

熊谷 今のデニムの着方って、カバーオールにブーツカットで良いんですよ。全部が全部(歴史や文化的な側面を)揃える必要なんてない。

 

 


 

 

 

 

気持ち的にはやっと正しいデニムの着方に出会った感じです。(熊谷)

 

――ファッションアイテムとしてのデニムのイメージも、昔と今では変わってきました。

 

熊谷 デニムのセットアップは増えましたよね。色落ちや着心地とかデニムの魅力を全身で味わえるという意味では、入門編に一番適した着こなしかもしれません。そこから自分なりのサイズ感や合わせ方を楽しんで行けたら良いと思います。デニムだからガシガシ着られるし。それに最近自分が頻繁に着ていて感じるのは、意外と疲れなくて楽ちん。

 

辻田 もともとデニムは日本のものではなかったけど、今はもう世界的に“デニムと言えば日本”になりつつある。「日本のデニムが一番良い」とすごく言われているし、個人的にはそれがもっと大きな流れになっていけば良いなと思っています。

 

――デニムのイメージは変化していきますが、逆に変わらない価値は何だと思いますか?

 

辻田 僕は肌触りや着心地が一番好きなんです。楽に着られて、どんどん体に馴染んでいくというのがデニムの魅力。あと、革などと一緒で生地の許容性というか、伸びて縮むというところも魅力ですね。着る人の動きによって伸びる箇所が伸びて、着る人の形に近づいていくんですよ。それを表現するには、昔の力織機の方が良いんです。糸にテンションをかけずに織れるので。今のデニム生地は糸をピンと張った状態で素早く仕上げるので、普通の生地と一緒のものが多いんです。だから伸縮が少ないし、普通のコットン衣料と大して変わらない。ただ、古い力織機で作ったデニム生地は「シュリンク・トゥー・フィット」と言って、下手したら縦で10%以上縮むんですよ。さらに、10%縮むと着られないと思われがちですが、10%縮んだら10%伸びるんです。それが実現できるのは、昔ながらの力織機で編んでいるからこそ。色落ちとか案外僕はどうでもよくて、体に馴染んでいく点が一番の魅力ですよね。

 

熊谷 僕はスタイリストという職業柄、同じものをずっと着るという感覚がないんです。こういうジャケットを着るから、こういうシルエットのパンツを穿こうとか、オーバーサイズの気分だから42inchのデニムを絞って穿こうという感じだったんですけど、意外と最近はちゃんとフィットしたスタイルが好きになってきた。だから、気持ち的にはやっと正しいデニムの着方に出会った感じです。特に〈フルカウント〉のデニムに触れて、その魅力に気づいた感じですね。

 

ーーそれでは、今後も続くコラボレーションの展開を教えてください。

 

辻田 熊谷さんから作りたいものが投げられたら、いつでも形にできるような体制は整えたいですね。そこは信頼関係なので。やっぱり彼が作るスタイリングとか提案するものが、若い人たちに響いているのが良くわかる。それに、自分のやりたいことを〈GDC〉に乗せて実現できるのは、自分にとっても嬉しいことですね。

 

熊谷 オーセンティックなものとかベーシックなものはすでに〈フルカウント〉さんに全部あるじゃないですか。だから僕はバイヤーさんが〈フルカウント〉さんの展示会に来た時に「へぇ〜、こういうものも作ってるんだ。熊谷とやっているからできるんだな」みたいな感じで見ていただけたらいいなと思っています。

 

 

 


 

 

左_辻田幹晴(FULLCOUNT代表)、右_熊谷隆志(スタイリスト、フォトグラファー、GDCディレクター)

 

 

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