常識を凌駕する“新時代のネイティブジュエリー” Interview with 「GOD SUNS」

常識を凌駕する“新時代のネイティブジュエリー” Interview with 「GOD SUNS」

イーグルやフェザーといったネイティブ系アクセサリーは、古くから男の装飾品の鉄板だ。組み合わせを変えるなど自分好みのカスタムに熱中するRUDO読者も少なくないだろう。このネイティブアクセサリー界に、今新風が吹き込んでいる。その発生源となるブランドが「GOD SUNS(ゴッドサンズ)」だ。ネイティブ系のモチーフは扱うものの、従来のそれを凌駕する美しい仕上げは、“ジュエリー”と呼称したいほどの完成度を誇っている。今回はその背景に迫るべく、中心人物である二人のYODA氏に話を聞いた。

アクセサリーに魅了された学生時代

 

 

ーーお二人はそもそもいつ頃からアクセサリーに興味を持ったのですか?

 

Y 僕は中学生の頃ですね。渋カジカルチャーの影響もあり、きっかけは先輩です。当時流行っていた雑誌に出ている先輩たちが色々なアクセサリーを着けていて、格好いいなと思って自分でも色々なアクセサリーショップに行くようになりました。バイトをしてお金を貯めて、次々に買って。でも、ネイティブ系の物をずっと使ってたんですが、高校で三回没収されたんですよ(笑)。だからバイトしてまた買うんだけど、また没収されて(笑)。「卒業式の時には返してくれ」とずっと言っていたんですよ。でもそれなのに先生が無くしちゃって。土下座して謝られましたね(笑)。ウン十万円するものとは知ってたと思うから「ごめん」て。もうしょうがないですよね(笑)。だけど、没収されるくらい好きで買っていたんです。作ってる職人さんを見ていると、パワーを感じたというか、その方の生き様にすごく惹かれたんですよ。作品を生み出していく凄さに温かみを感じて、感動したんです。

 

ーーそのあといつから実際にシルバーの世界に入ったんですか?

 

Y 20代前半くらいの頃です。下積みしてからデザイナーになりました。もともと小学校の頃からイラスト部に入ってて、絵画工作は得意だったんですよ。そもそも描くことや作ることが好きだったんで。以前勤めていたブランドでは、様々な有名ブランドとコラボ企画も考案したりして、実践を積んできました。本当に貴重な経験をさせて頂きましたね。

 

ーーでも、絵を描くのとデザインをするのって同じじゃないですよね。

 

Y そうなんですが、中学の頃からいろんなブランドを見て育ってきたのが役立ちました。最初は欲しくて買ってたんだけど、次はこのブランドのアイテムにはどんな特徴があるかを見るのが趣味になったんです。それが土台にあったから、インスピレーションで描けたんですよ。今でもいろんな想像力が頭から溢れてきます(笑)。今までにない革新的かつ斬新なアイテムを追求しながら、自分らしさを忘れずに作品を残していきたいですね。

 

ーーMITSUHIROさんはどうですか?

 

M 僕が最初にアクセサリーが好きになったのはスカル系。レッド・ホット・チリ・ペッパーズとかのロックや、ダンスをやっていたのでヒップホップとかが好きだったんですが、その時に盛り上がっていた「クロムハーツ」とか「ガボール」とかに興味がありました。その後にとある原宿のアパレルショップで働いたんですが、兄を通してネイティブジュエリーやインディアンジュエリーの世界観を深く知るようになり、また、イベントを主催した時に有名なアーティスト作家が目の前でカービングとか綺麗にアクセサリーを作るのを見て、本当にすごいなと思いましたね。だからそこから独学でアクセサリー作りを始めたんですが、もっと本気で技術を向上させたいと思い、そこで兄とつながりのある職人を紹介してもらったり、ナバホのアーティストのリチャード・ツォッシーという人がいるんですが、彼に技術を学んだ人に教わったんです。やすりがけひとつとっても全然違ったし、いちから教えてもらいました。基本的な工程や技術はそういう方々から教えていただき、その後は自己表現力を高めながらさらなる向上を求めて独学で今に至ります。

 

ーーMITSUHIROさんは、バイクもお好きなんですよね。

 

M 映画の『イージーライダー』が好きで憧れもあったんです。今は2016年式のFXDBCストリートボブスペシャルに乗っています。ゴッドサンズの下準備を始めたのは2016年で、愛車はどうしてもブランドを立ち上げた年と同年代にしたかったので(笑)

 

 

 

彫金師であるMITSUHIRO氏の工房。まるで書斎のような男心を刺激する空間だ。

 

クリエイティブデザイナーでもある代表のYASUYUKI氏のもとで、描く細やかなデザインを確かな技術で形にしていくMITSUHIRO氏。

 

通常の数倍の時間をかける磨きの工程。だからこそ透き通るようなシルバーの輝きが生まれる。

 

サイズや向き、プレーンからデザインが入るものまで、多様なフェザーワークも人気の所以だ。

 

 

 

クリエイティブを追求する探究心溢れる姿勢

 

 

ーーそれでは今後の目標を教えてください。

 

Y 海外に行って、いろんな方に見てもらいたいです。もちろん日本国内もやるんですが、世界の人に見てもらえるように動いています。もう海外に卸しもしていますし、こだわりのある方はブランド云々ではなくてアイテムをしっかり見てくれるんですよ。歴史が長いブランドもある中で、まだ浅い僕らのアイテムもどういう造形になっているのかとかよく見てくれる。だからこそ、「ゴッドサンズ」にしかないもの、「ゴッドサンズ」にしか出せないカラーを追求していきたいです。また、自分の思い描くストーリーも作品を通して残せいけたら嬉しいですね。

 

M 僕は作っている時が一番楽しいので、常に新しいものを作り続けていきたいです。磨きとか普通より手間のかかる工程をかけていますが、それも楽しいというか、簡単にできないからこそ楽しい。それを続けていきたいです。それができるのも、ブランドが続くっていう意味とイコールでもありますから。

 

Y 「ゴッドサンズ」のコレクションは、1stシーズン、2ndシーズンに分かれてるんです。1stは従来からあるネイティブジュエリーで、2ndは新しい感覚のもの。それに加えて、いつかテーマを決めて3rdもやりたいよね。

 

M そうだね。例えばクロスにたくさん穴を開けてアンティークな壁画みたいにしてボロボロになったようなものとか、そういう見たこともないものを発表する未知のカテゴリー。そのクロスに丸カンをつけて、カスタムアップしたりとか。でも、本当はすぐに作りたいんですけど、今は手が回らない(笑)。

 

Y すごくありがたいことに、今注文が多くて手が回らないので、もっと落ち着いたらですかね。今後レザーとか、一点もののアウターとかも作ってみたいんですよ。アンティークのアイテムを自分たちが作ったパーツでカスタムしたりとか。ブーツもそう。一点もので価値があるものを作っていきたい。男の人って育てるのが好きだと思うし、そういうものをどんどん新しく取り入れて、自分たちのフィルターを通してオリジナルのものを出していきたいですね。

 

 

 

仲間たちが集うこともあるショップ前のスペース。アイテムのセレクトに迷った時は、彼らに気軽に相談すれば答えが見つかるはずだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 
GOD SUNS
ネイティブ系アクセサリーブランドで研鑽を積んだクリエイティブデザイナー・YASUYUKI YODAと、彫金師・MITSUHIRO YODAの双子を中心に2017年に設立。イーグルやフェザーといったネイティブモチーフを得意としながらも、性別や年齢、スタイルを問わずに楽しめる“新たなネイティブジュエリー”を追求している。従来のブランドにはないラグジュアリーさや、極小〜極大を取り入れた幅広いサイジングにも定評がある。

 

東京都渋谷区神宮前3-17-22 AT神宮前 1F
TEL:03-6447-5613
営業12:00~20:00*水曜定休
godsuns-store.jp