色気と殺意が同居する男たちのドレス　ROLL -Collection-

FEATURE

2019.1.28

1950年代にイギリスで誕生したバイカーズ“ROCKERS”の洗礼を本国で浴び、そのカルチャーを日本にも導いた馬場康治。英国らしい上品な不良のセンスを知り尽くす彼が率いる〈ROLL（ロウル）〉のコレクションは、殺気すら漂うバラのような色気が充満する。

ブリティッシュの気品をもたらす
男のシルエットの最高峰

どでかいヤマを越えたのか、はたまた目前に控えるのか。いずれにせよ、勝負事を前にした男たちにこそドレスアップは欠かせない。己の決意と洒脱なファッション。この二つがリンクすれば、おのずと魅力は増すものだ。

右の男の身を包むのは、艶かしい光沢を放つヴェルヴェット仕立てのジャケットとパンツ。生地の上質なムードが追い風となり、嫌味のないラグジュアリーな出で立ちが完成。レーヨンシャツとスカーフの柄をドットでリンクさせた演出もさることながら、生花のバラを使用したコサージュが男の色気を倍加させる。

首謀者を思わせる左の男がまとったのは、英国の気品を代表するアイテム・チェスターコート。切れ味鋭いこの男の内面を表現したかのようなストンと落ちるシルエットは、時を経た男の体型をもシャープに見せてくれる。ブラックのインナーとパンツを合わせたことにより、すっきりとした気品が誕生するだけでなく、タイやベルトといった小物の輝きも生きてくる。

犯罪者か、はたまた紳士か。素性のわからない男ほど魅力的なものなのだ。